耳に関する病気

ヘルパーと男性

頭蓋内神経鞘腫は原発性脳腫瘍の約11%を占めます。その頭蓋内神経鞘腫の約95%は、内耳神経、特に下前庭神経に好発する聴神経腫瘍です。聴神経腫瘍は、40〜60歳代に好発し、男性より女性の患者が1.3倍多いです。症状としては、片方の耳で高い音が効きにくくなったり、耳鳴りがしたりします。めまいが起こることもあります。症状がある聴神経腫瘍は、手術による全摘出が原則です。しかし、手術による顔面神経麻痺は合併症として起こりやすいです。近年は3cm以下の小さい腫瘍には定位放射療法を行えることもあります。2cm以下で症状がないもには、経過観察になることがあります。これらの治療法は、患者さんに合わせてメリットデメリットを考慮して選択します。

聴神経腫瘍が疑われる患者さんでは、通常の症状の聞き取りの他に、温度眼振テスト(カロリックテスト)、純音聴力検査、語音明瞭度検査、聴性脳幹反応、CT、MRIなどの検査を行います。温度眼振テストとは、耳に冷水や温水を入れて人工的にめまいを起こした時の目の運動を診る検査です。語音明瞭度検査は、CDから聞こえてきた音を患者さんに紙に書いてもらう、言葉の聞き取りやすさを調べる検査です。聴性脳幹反応は、頭に付けた電極から脳波を読み取る検査です。CTは、放射線を使い身体の輪切り状態の画像を作成します。MRIは磁気の力を使い身体の輪切り状態の画像を作成します。いづれの検査も痛みはなく、患者さんの負担の少ない検査です。